服薬のKYT①

何が問題なのか

301号室の患者は山田ハナさんですが、看護師が渡そうとしている薬袋には**「302 山田ハル」**と表示されています。

さらに、ワゴン上には複数患者分の薬が同じ場所に置かれ、「301 山田ハナ」と「302 山田ハル」のような類似氏名の薬を取り違えやすい状態です。

画像から「本人確認をしていない」とまでは断定できません。ただし、このまま投与する前に、患者と薬剤の情報を改めて照合する必要があります。

何が起こり得るのか

山田ハナさんに山田ハルさんの薬を投与する、別患者への誤薬が起こるおそれがあります。

その結果、

  • 山田ハナさんに不要な薬が投与される
  • 山田ハナさんに必要な薬が未投与になる
  • 山田ハルさんの薬も未投与または遅延する
  • 薬剤によっては副作用や症状悪化につながる

可能性があります。

実際の報告事例でも、氏名の類似、複数患者のトレーを同じワゴン上へ置くこと、業務中断後に確認を最初からやり直さなかったことなどが、患者取り違えの背景要因として挙げられています。

なぜ起こりやすいのか

  • 「ハナ」と「ハル」のように氏名が似ている
  • 複数患者分の薬が同じワゴン上にある
  • 病室番号や名字だけで判断しやすい
  • 途中で中断されると、どこまで確認したか分からなくなる
  • 薬をワゴンから選んだ時点で確認が済んだと思い込みやすい

個人の注意力だけでなく、薬の分け方や確認手順にも事故を起こしやすい条件があります。

改善策

  • 患者本人にフルネームを名乗ってもらう
  • リストバンド、薬袋、処方・指示を投与直前に照合する
  • 病室番号だけを本人確認に使用しない
  • 複数患者分の薬は一患者ごとにトレーや区画を分ける
  • 中断した場合は、確認を途中から再開せず最初からやり直す
  • 情報が一致しない場合は投与せず、処方・患者・薬剤を再確認する
  • バーコード認証がある施設では、定められた手順で使用する

まとめ

患者は山田ハナさん、薬は山田ハルさんのものです。類似氏名と薬の未分離が重なると取り違えが起こりやすいため、投与直前に患者・薬袋・指示を照合します。